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筆編

写経の筆選び


写経の小筆は毛先が重要で、筆先がキリの先のようにすっきりと尖った筆が書きやすいです。
書きやすく感じる筆は個人によってばらつきがありますので、1000円前後の筆からいろいろ試されてはいかがでしょうか。

 

新しい筆の下ろし方


ふのりで固められた穂先を、指で穂先3分の1くらいをもみほぐし、水で湿らせて糊をとります。
糊は1度では落ちませんので、2~3回繰り返してください。終わったら紙か布で水気をよく除いてください。

 

墨の含ませ方


ほぐした部分に墨を含ませます。筆が新しい状態のものは、早く下りてしまうので、すぐにかすれます。
何度か書いているうちに筆と墨がうまくからまり、墨は滞留してくれます。
文字の途中で墨を継ぎ足すのはあまりよくありませんので、一字分書ききる感覚をみにつけましょう。

 

写経筆の寿命

筆の使い方や紙にもよりますが、1本で阿弥陀経1巻くらい・般若心経であれば、5~6巻は書けます。

 
筆の保管の仕方


書き損じた紙やティッシュでぬぐってください。もう少し丁寧にするなら、紙に水を含ませて、墨のついた部分をふき取ってください。
ふき取ったら、穂先を元の尖った状態に整えます。
筆の管理の仕方次第で、筆の寿命にも影響します。
※小筆は洗ってしまうと、芯がなくなって書けなくなりますので、洗わないでください。

 

写経筆の種類


筆には和筆と唐筆(中国製筆)があります。
和筆には「天平筆」や「雀頭筆」など名高い筆のほか、一般的に文房具店などで販売しているような筆があります。
オススメは毛の硬さから書きやすいイタチ毛の筆です。写経が盛んに行われていた天平時代などは「兎毛筆」がよく使われたそうです。
兎毛筆はコシが強く、寿命が長いということから愛用されていたようです。
現在、兎毛は原毛での輸入がされないことから、唐筆を買うことでしか兎毛を試すことができません。
写巻」「双料写巻」などがそれにあたります。唐筆を買う最大のメリットはその安さです。
安いとはいえ中にはよい筆もありますので、いろいろ試してご自分に合う筆を探してみてください。
たとえば「大七紫三羊」なども写経に向いています。
少し話はそれますが、「大七紫三羊」の名称の由来は毛の配合が兎7割、羊毛3割という意味です。

 

 墨編

写経に適した墨とは?

写経用の墨には和墨が適しており、なるべく上質のものをオススメします。
和墨は香りもよいので、気分よく精神統一してくれる助けになります。
墨液はあまり写経には適しませんが、墨運堂から発売されている写経用墨液(三歌仙)はよいです。
油煙墨と松煙墨では油煙墨がよいでしょう。

 
墨をする際の水の量と墨の磨り方は?


硯に水を注ぐ場合、水差で5~6滴程度を硯の陸に落としてください。
墨を硯面に対して45度くらいに傾け、のの字に磨ります。墨はご自分のお好みの濃さまで磨ってください。磨れましたでしょうか?
さあ、書きはじめます。 
だいたい10行~20行書くうちに、先程磨った墨がなくなると思いますので、また5~6滴の水を使って墨を磨ります。
このくらいのペースで墨を磨る方が墨色のよい状態で写経をすることができます。
1度にたくさんの墨を磨ると時間の短縮につながりますが、液の蒸発や墨の沈殿で墨色が鈍ってしまいますのでご注意ください

 

墨が残った場合


これはもったいないですが、捨ててください。
残しておいた墨は沈殿したり、腐敗したりします。
常に新しい墨を使うことで、新鮮な気持ちで写経に臨む。
清々しい気持ちで写経をするためには墨は使いきるか、捨てるのがよいでしょう。

 

硯編

写経に向く硯

写経で使う墨は比較的少量ですので、小ぶりの3~4インチの硯がオススメです。

 
硯の種類


中国製は、お買い求めやすい「羅紋硯」、銘品と言われる「端渓硯」が有名です。
国産のものでは、雨畑石・高島石・那智石・高田石・赤間石・土佐石・大子石・玄昌石・竜渓石・正法寺石・金鳳石・若田石・紅渓石など。
市場では値段の安価で質のよい中国の硯のものが圧倒的です。

 

使用後の硯


使用後は残りの紙で墨を拭き取ってください。
その後、水道水で、時にスポンジを使ってゴシゴシと洗ってあげてください。
硯面は鋒鋩と呼ばれる凸凹で墨を磨りますが、硯のお手入れが出来ていないと、墨が鋒鋩を埋めてうまく磨れなくなる原因になります。
しっかりお手入れしてあげれば、硯も長持ちします。たまにはお手入れに泥砥石を使うのも効果的です。
※どうしても硯が磨れなくなったら、酢を薄めた水に硯をつけておくと、マシになるようです。

 

写経用紙編 

写経用紙の紙の種類

鳥の子・三椏・楮・洋紙など

 
初心者の方は


はじめは界線が印刷された写経用紙を使うのがいいと思います。簡単に写経をはじめることができます。

 

ちょっと写経に慣れてきたら


かなの料紙に界線(罫線)を自分で引いて使うのもいいです。料紙の一般的なサイズは縦28cm、横47cmです。

 

昔の写経用紙

天平時代は勅願経などの経典には麻紙や楮紙が使われていました。
使用の際は白いままで使われることはほとんどなく、黄蘗(きばた)、苅安(かりやす)、橡(つるばみ)などを煎じた汁で、黄色や褐色に染めて使っていたようです。

 

その他写経まわり品編

金泥・銀泥

紺紙や紫紙の写経用紙を使うとき、罫を引いたり、字を書くときに用います。
金泥や銀泥は粉状になっていて紙包装されています。
トキ皿にこの粉をいれ、膠水(ニカワスイ)を少しづつたらし、指で溶いていきます。
膠水は土鍋に入れた水で膠を煮てつくります。
金泥を使うのが面倒な方には、金墨・銀墨が便利です。

 
水滴


水を硯に注ぐためのものです。

 

文鎮


紙の固定に使います。

 

墨床

使用中の墨を乗せておく台です。

 
筆架・筆巻


筆架は、窪みのある筆置きです。
筆巻は、筆の保存や持ち運び用に使うものです。

 

覆面瓠(フクメンコ)


息が直接経文に触れないように口を覆うものです。
作り方は、半紙を4つ折にして、両端に穴を開けます。
その穴にひもを通し、輪にします。
マスクのような感じに仕上がります。
楽に呼吸できるように多少余裕をもった輪にしておきましょう。

 

ほか、印泥や印材、薫香(部屋に焚き染める香)塗香(手や体に塗る香)、丁子(口に含む香)などなど

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