平安古経展では、平安時代の経典の歴史と多様性を辿るとともに、まぼろしの久能寺経に触れる絶好の機会です。
日本における写経は、7世紀以前からの長い歴史があり、各時代に様々な展開を遂げました。
平安時代の写経には、料紙を色で染める、金銀の截箔を散らす、絵具で描画する、文字に金銀泥を使うなどの方法で装飾されたものが数多く残り、それらがこの時代を特徴付けるものとなっています。
一方で、素紙に墨で書く通常の写経も平安時代には盛んにおこなわれ、また経文を紙以外に書いた銅板経や瓦経が登場するのは平安時代であり、さらに文字を「刷る」方法が始まったのも平安時代のことでした。
平安古経展では、こうした平安時代の経典の様々な側面を紹介されていますが、平安時代を通じて培われた製作技術の粋を尽くした写経遺品である「久能寺経」も展示されています。
これは鳥羽上皇周辺の人々の結縁により成った一具の『法華経』(一品経)ですが、現存する26巻のうち当初の見返絵をのこす4巻は、保存状態の問題から長い間一般の目に触れることはありませんでした。
近年これらの保存修理が完了したことをうけ、今回の展示会に至っています。
■会期: 平成27年4月7日(火)~5月17日(日)
■会場: 奈良国立博物館 東新館・西新館第1室
〒630-8213奈良市登大路町50番
■休館日 毎週月曜日
※ただし5月4日(祝)は開館し、5月7日(木)は休館
■開館時間 午前9時30分~午後5時
※入館は閉館の30分前まで
※4月24日(金)以降の毎週金曜日は午後7時まで開館
■観覧料金
一般 高校・大学生 小・中学生
個人 1,200円 800円 500円
団体 1,000円 600円 300円
前売 1,000円 600円 300円