写経のやり方
一筆経

1巻分を一人で書写すること。

一巻経 1具の経典を1巻ずつに書写すること
一品経 「法華経」28品を数人で分担して1品を1巻にして書写すること
書継経 何人かで分担して写経すること
両筆経 2人で1巻または数巻を写経すること
千部一日経 1巻または1部を1日で書き上げてしまうこと。人数は問いません
一字三礼経 写経時に、一字書く毎に三度礼をすること
一括書写経 経典を事前に決めておき、一括して写経すること
頓写経 大部分のものを一人で写経すること
漸写経 日をかけてじっくり写経すること
料紙の種類別の写経
素紙経 白い紙の料紙に書写したものです。黄麻紙、黄檗紙も含みます。
色紙経 草・木の根や皮などの煮汁で着色した料紙に写経したもの
紺紙経 紺色に染めた料紙に、金泥や銀泥を使って写経したもの
紫紙経 紫色に染めた料紙に、金泥や銀泥を使って写経したもの
藍紙経 藍色に染めた料紙に、墨か金泥を使って写経したもの
紅紙経 紅色に染めた料紙に、墨か銀泥を使って写経したもの
唐紙経 鳥の子紙を使ってできている料紙に白い粉で文様を刷り、その上に雲母を貼り付けた紙に写経すること
香紙経 香料を漉き込んだ料紙に写経すること
薄墨紙経 再利用の料紙を再び漉き込んだ料紙、もしくは薄墨を入れて漉いた料紙を使った写経
金塵紙経(きんじん) 細かい金粉を1面にまいた紙で写経すること
銀塵紙経(ぎんじん) 細かい銀粉を1面にまいた紙で写経すること
紙背経 使用済みの料紙の裏に写経すること
白麻紙経 麻を原料とし、白くさらした紙に写経したもの
装飾別の写経
鳥下絵経 金泥や銀泥などで、花・鳥・蝶などの絵を描いた料紙に写経したもの
下絵経 絵が大きく描かれた料紙に写経すること
法華経冊子 胡蝶綴や大和綴などのやり方で綴じられた料紙に写経すること
扇面経 扇形の料紙に写経したもの
一字宝塔経 宝塔の模様を描いた料紙の宝塔の中に一字ずつ写経したもの
一字連台経 蓮華座を書いた料紙に、蓮華座の上に一字ずつ乗せて写経すること。蓮華座がはじめから印刷されている写経用紙はすぐに手に入ります。
一字一仏経 料紙に書かれた仏体に一字ずつ写経したり、仏体に並んだ状態に書き込むこと
装飾色紙経 色紙をつなげて写経すること
絵経 上段に絵の描かれた料紙の下段に写経したもの
目無経 未完成の墨1色の線描の絵に、銀界を入れた料紙に写経すること
材料別の写経
墨書経 一般的な墨での写経
金字経 金泥で写経したもの
銀字経 銀泥で写経したもの
黄土経 黄土を使って写経したもの
金銀交書経 金字と銀字を交互に一字、もしくは1行ずつ写経したもの
血書経 指の血で写経したもの
紅字経 紅を使って写経すること
目的
勅旨経 天皇の命により書写された写経
一般経 勅旨経以外の一般の写経
知識経 多くの信者による寄付で書写された写経
普通経 個人の寄付で願をたてて書写した写経
供養の写経
消息経 故人の手紙の裏に書く写経
遺髪経 細かく切った故人の髪を混ぜた料紙に写経すること
漉返し経 故人が使用した紙を再び漉きなおした紙を使ってする写経
骨泥経 香木の粉末を入れて、すいた紙の表面に白い粉を塗りつけた料紙に写経すること